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2014月11月19日更新

行く前に知っておきたい数字で見るブラジルの経済事情

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●はじめに



旅行へ出かける前に、気になることと言えばどんなことでしょうか?例えばその土地の気候や天気、治安など様々あると思います。人によっていろいろな答えが出るところだと思います。


 


それでは経済事情はいかがでしょうか?経済事情はその国を客観的に見る時にとても重要になってくる項目になります。経済事情が良ければ人々も活き活きしており、いさかい事が少なく旅行しやすいでしょう。


 


しかし、悪かった場合はどうでしょうか?経済事情が悪い場合、多くは人々の不満がたまっている状態になっています。ひどい時は一触即発とはこのことかと言うくらいのピリピリした雰囲気が充満し、治安も悪化していく傾向があります。ですので、経済事情は旅行する前に気にすると共に知っておくべきことなのです。


 


今回は『行く前に知っておきたい数字で見るブラジルの経済事情』と題して、W杯を終え、次いでオリンピックを控えているブラジルの経済事情についてお話ししていきたいと思います。



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●過去10年間におけるブラジル経済



現在のブラジルの経済事情を語る上で、過去10年にさかのぼってお話しをしていくことがまず必要になります。何故かと言いますと、その間に現在の基礎ができているからなのです。


 


現在のブラジルの大統領はジルマ・ルセフ氏です。その前のルーラ大統領の頃に現在のブラジル経済の基礎ができたと言っても過言ではないでしょう。ルーラ氏はそれまで低迷気味だったブラジル経済を回復させました。


 


そして、大統領がルセフ氏に代わった現在でも、通年ベースの成長率がマイナスになったのは2009年度の一度だけという状態を保っています。ただ、BRICsの4ヶ国の中で見ると、ブラジルの経済成長率は低いものとなっています。


 


レアル高と金利低下によって回復した経済を支えたのは、個人の消費であったと言われています。ブラジルの投資率は南米諸国の中でも低く、それには高い金利や税率が関係していると言われており、堅調な個人の消費の増加でブラジルは成長を続けてきていました。


 


筆者はルーラ氏が大統領だった時と、ルセフ氏が大統領になった時にブラジルに滞在していました。そして、もう10数年以上前の話になりますが、父親の仕事の都合で滞在していたこともあります。


 


つまり、ブラジル経済が低迷していた頃と、回復傾向にあった頃に滞在していたことになります。我が家の場合は駐在員とその家族だったため、低迷期でも金銭的にはかなり恵まれていました。周りを見ると、そうではない雰囲気も子どもながらに感じ取れる程でしたが、後に1人で訪れた時には回復傾向でしたので、その違いにまず驚いた程です。


 


まず何に驚いたかと言いますと、フェイラと呼ばれる市に活気があったこと、ショップで贅沢品と言われる物を気軽にショッピングする人が増えたこと、外食する人が増えたことです。これは全て個人消費に関係するものです。そう、劇的に変わっていました。それは、たった10数年の間に経済事情が大きく変わったことを意味しています。


 


そして、記憶に新しいW杯の開催、そして次の夏季オリンピックの誘致と開催決定によって内需が増え、それによって所得が増えて個人消費も増えて経済事情が上向きになっていったのです。



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●近年、そして現在のブラジルの経済事情について



それでは本題の現在のブラジルの経済事情についてお話ししていきましょう。ここ数年間、ブラジルの貨幣であるレアルの価値は上がっていました。外貨をする人で良い思いをした人もたくさんいると思います。特に、2009年の初頭から春くらいまでにレアルの価値は急上昇。1レアル約39円だったのが約49円まで、たった数ヶ月で上がっているのです。


 


その後も若干上げ下げしながらもレアルは好調、そしてレアルの価値が上がり始めてから1年程経った2010年の春、最高値の1レアル約53円をたたき出したのです。その後もしばらくは好調でしたが、2011年の夏に突如下げ始めます。


 


そして2012年の夏には価値が上がり始める前よりも低い、約38円まで下がってしまったのです。それからというもの、再度じわじわ上がり始めW杯の恩恵を受けて2014年に入ってからは約42円から46円の間を推移しています。


 


W杯やオリンピックの開催が決まり、内需が増えて景気が良くなり、価値も上がっていくはずなのに何故でしょうか。そこには貿易の相手国として依存していた中国経済の落ち着きが関係していると言われています。内需は増えますが、外需が増えていかない、それによって思ったように利益を得ることができなくなりました。そしてそのしわ寄せは国民の方へ行ってしまいました。


 


じわじわと上がる公共料金と、インフレ。ブラジルのインフレは過去にもひどいものが何度かありました。近年のインフレはそこまでひどい物ではないとは言われていますが、国民の生活に大打撃を与えていることは明らかです。


 


ブラジルは、裕福な人はとってもお金を持っています。日本のお金持ちとは比べ物にならない程です。移動はヘリ、乗っている乗用車は超が付く程の高級車、住んでいるのはまさしくお屋敷で高級ブランドの洋服を身にまとい、高い教育を受けているため英語も堪能…。ですが、こんなバブリーな生活を送っている人はほんの一握りです。


 


日本では多い中流、いわゆる一般的な家庭というのは近年増え始めていると言われています。そしてまだ多くが中流家庭よりも下、そして貧困に喘ぐ人も少なくありません。貧乏な人は、日本で言う貧乏とは全く違います。本当に貧しいのです。そんな人達にとって、物の値段が上がることはまさしく死活問題となります。


 


パンの値段が上がり、パンが買えない。食べる物がなくなると死んでしまうけれど、死ぬわけにはいかないから生きるために犯罪に手を染める…貧困層にはそんな人が多く、こんな構図ができているのだと現地に住む友人は言っていました。そして治安は悪化していっているのだそうです。


 


そんな中、ついに暴動やストライキが起きるようになってしまいました。まだ記憶にも新しいと思いますが、W杯開催直前に日本でもその模様はニュースや新聞などで伝えられたと思います。そのような不満が爆発し、表に出た形となっています。


 


このように、経済状況はその国の国民生活と密接に関係しており、物価や治安などにも大きな影響を与えてくるのです。ですので、経済事情は旅行する前には知っておくべきだと言えるでしょう。



 rene de paula jr


 




●まとめ



現在のブラジルは、レアルの価値だけで言うと比較的安定した推移を見せていると言えます。直近の2014年の10月には1レアル約44円で推移しています。気になる貿易に関してですが、こちらも黒字はじわじわと減少して行っているものの、大きな赤字が出る可能性はその構造から少なく、まずまずと言ったところでしょう。


 


ですが、生活に直結するであろうインフレ状態は今も続いており、物価は上がっています。日本よりも高い物も多くあります。具体的に言えば、生きていく上で必需品とされる食料品は、数年前と比べると2~3倍に跳ね上がっています。この傾向は加工食品に特に当てはまります。ただ、野菜やお肉などの生鮮食品の価格はやや抑えられていると感じます。


 


旅行する際に大きく関係してくる外食については、普通のお店で普通にランチして、日本円で約850円くらいと、日本と変わりありません。下手すると日本よりも割高な場合も多々あります。


 


多くのブラジル国民の所得から見ると、このインフレ状態はかなり辛いものと言えるでしょう。不満が溜まり、爆発するのも無理はないと個人的には思います。次はオリンピックが控えているブラジル。日本からも多くの人が観戦に訪れるでしょう。そんなブラジル経済から当分目が離せません。

2014年11月19日

written

by tabisapo


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