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2015月1月29日更新

歴史的背景から考える、現在の中国と台湾の関係とは? 

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 台湾の人々は、中華人民共和国(中国本土)のことを「大陸」と呼びます(英語だとMainland)。その言葉のニュアンスに、あまり好意的なものはありません。台湾人の中国人に対する感情は単純に語れるものではありません。


 



 「一つの中国」を主張する中国政府と、台湾内で台湾独立を主張する人々との摩擦で、一触即発の雰囲気にひやひやの時代もありましたが、今は比較的落ち着きつつあります。台湾と中国との問題は、常に両国の微妙な力関係の中で揺れ動いています。台湾という小さな島の歴史を紐解けば、台湾のアイデンティティーの複雑さを少し理解できるかもしれません。


 


 



延平郡王祠内の鄭成功像(台南市)
LH Wong



【鄭成功と本省人】



 もともと台湾にはマレーポリネシア系の先住民が住んでいました。17世紀に入って、スペインやオランダの植民地になりましたが、、1661年、中国人と日本人のハーフ、鄭成功がオランダ人を追い払いました。



 鄭氏による台湾支配はその後の清朝の攻撃によって短期間で終わり、台湾は清朝の支配を受けることになります。このころ中国福建省、広東省から多くに人々が台湾に移住し、今日の台湾における、いわゆる「本省人」の基礎となりました。


 


 



日本台湾統治時代に建築された建物がならぶ台北市博愛地区
Lawrence Wong



【日本の統治と敗戦】



 1894年、清朝が日清戦争に敗北したため、台湾は日本に割譲され、その後1945年まで日本政府の台湾統治が行われました。この時、日本同化政策として日本語教育が施行されたため、この時代に教育を受けた人たちの中には今でも日本語を話す人がいます。


 


 1945年、第2次世界大戦の日本敗戦をもって、日本の台湾支配は終わります。だたし、日本が連合国側諸国と締結したサンフランシスコ平和条約において、台湾の主権移転対象(帰属先)については明記されておらず、これが台湾の国際的地位をちゅうぶらりんなものにしているとも言えます。


 


蒋介石の座像がある、中正記念堂(台北市)
edwin.11



【蒋介石と外省人】



 このころ中国本土では、蒋介石率いる中華民国政府と毛沢東を中心とする中国人民解放軍との内戦が激化し、1949年になると中華民国政府は首都の南京から台湾へと撤退しました。これ以降台湾に移住してきた人たちが、「外省人」と呼ばれます。


 


 中華民国は、中国共産党との内戦に敗れ、台湾に逃れてきて以来、中国と敵対してきました。当初、アメリカや日本は台湾を正式な国家とみなしていましたが、中国の台頭によって状況が変化、1979年にはアメリカは中国と正式に国交を結びます。日本も田中首相時代に中華人民共和国との国交を開始して以来、現在においても台湾との間に正式な国交はありません。


 




【台湾独立運動と今】



 「一つの中国」という思想は1970年代当時、中国・台湾両サイドとも持っていた概念で、、それぞれ自分こそが中国の正当な政府であると主張していました。双方とも、ゆくゆくはお互いを取り込んで一つの国家を築くと思っていたわけです。 



 1980年代後半からの李登輝総統時代に入ると、台湾は北京政府を容認した上で、台湾は台湾として独立した国家だという姿勢を取り始めます。その後2000年代前半にかけては、「台湾は中国の一部だ」と主張する中国政府からの軍事的プレッシャーを受けることも度々ありました。



 しかし、ここ10年で中国が躍進し世界的大国になってきたことで、台湾人の意識も変化してきました。中国が途上国だった時代には台湾のほうが圧倒的に経済力を持っていましたが、昨今台湾と中国の経済帝に立場は完全に逆転し、台湾内の独立運動は下火になってきています。中国と仲良くしておいたほうが、経済的には得だという計算です。現在、台湾政府としては、現状維持がもっとも現実的だという姿勢です。


 


 台湾人と一口に言っても、九州と同じ面積しか持たない小さな島に、本省人、外省人に加えてそれぞれ独自のの言語を話す土着の少数民族たちが住んでいます。中国本土に対して帰属意識を持っている人々もいて、本省人と外省人との間でも、独立に対する気持ちに温度差があります。かれらのアイデンティティーはどこに帰属するのか、「台湾」としてのアイデンティティーは今後どのように確立されるのか、そんなことを考えながら台湾を旅するのもおもしろいのではないでしょうか。


 

2015年1月29日

written

by tabisapo


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