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2015月1月20日更新

まるで映画セットのような世界三大仏教遺跡「ボロブドゥール寺院遺跡群」

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  ジョグジャカルタは、インドネシアの首都ジャカルタがあるジャワ島の中部に位置する古都です。仏教やヒンドゥー教の渡来やオランダによる植民地支配などを経験しながら発展した街です。そんなジョグジャカルタに世界三大仏教遺跡のひとつであるボロブドゥール寺院遺跡群はあります。


 


Bryn Pinzgauer



謎の仏教遺跡ボロブドゥール



 ボロブドゥール寺院遺跡群は、カンボジアのアンコール遺跡、ミャンマーのバガン遺跡と並び、世界三大仏教遺跡と称されます。仏教遺跡とは言え、その形状は不思議で、私たちが普段思い浮かべる寺院などとは異なる形相を呈しています。


 


 ボロブドゥールを取り巻くように公園が整備されており、訪れる人がその熱帯性植物が生い茂る林の中を歩いて行くと、突然視界が開け、巨大なボロブドゥールの姿が現れます。


 


 しかし、仏教遺跡とはいえ、礼拝堂も僧院もなく、そこにはおびただしい石が積み重ねられ、美しいレリーフが施された巨大なピラミッド状の建造物が小高い丘のように建っているだけです。見学者はその建造物の中に入ることもなく、回廊をぐるぐる回りながら上って行くのです。


 


 この建物の様子が仏教的宇宙観を立体の曼荼羅によって表現しているとの説明がなされていますが、本当のところ、何のために建てられたのかははっきりと証明されていません。


 


Jim Maes



千年間眠っていた仏教遺跡



 イギリス副総督としてジャワ島に赴任したトーマス・ラッフルズ率いる探検隊は、1814年、熱帯雨林のジャングルの中、土中から巨大な仏教遺跡、ボロブドゥールを発見しました。


 


 紀元前からインドと東南アジアは海洋貿易でつながっており、ヒンドゥー教や大乗仏教もこのルートで伝えられました。ボロブドゥールは、8世紀にジャワ島中部に興った仏教国シャイレーンドラ王朝が建てたものです。しかし、9世紀になるとシャイレーンドラ朝は衰え、ジャワ島から撤退してしまいます。それと共に、ジャワ島の仏教文化も衰退し、ヒンドゥー教が勢力を持つようになりました。そして、プランバナンを始めとするヒンドゥー教寺院が建設されたのです。


 


 ボロブドゥールは、いつしか人々の記憶から消え去りました。文字通り土に埋もれてしまったのですが、どのようにして土中に埋まってしまったのかは定かではありません。こうして、1814年にトーマス・ラッフルズによって掘り起こされるまで、1000年の眠りにつくことになったのです。


 


Yann Pinczon du Sel



立体曼荼羅ピラミッド



 ボロブドゥールは半円形の丘をブロック状の安山岩で覆った、9層のピラミッド型になっています。それは、下層から上層に向かって、人間の欲望である「欲界」「色界」とそれから解脱した悟りの世界である「無色界」を示していると言われます。


 


  回廊を回りながら上って行くと、その壁には釈迦が悟りを開いていく様子が描かれています。そして最上段にたどり着くと、そこには壁もレリーフもなく、72基の釣鐘型ストゥーパが建っています。そのストゥーパには格子窓があり、中を除くと釈迦如来像が置かれているのが見えます。


 


 ボロブドゥールはそれ自体が仏教経典であり、仏教思想を立体的に表現しようとしていたのではないかという気がして来るのです。


 


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幻の古代一大仏教都市



 世界遺産に指定されているボロブドゥール寺院遺跡群は、ボロブドゥール、パオン寺院、ムンドゥ寺院の3つの遺跡の総称です。


 


 パオン寺院はボロブドゥールの東1.7kmのところにあり、8世紀に建設されたと言われています。小さな寺院ですが、ここにも美しいレリーフが刻まれています。


 


 ムンドゥ寺院はパオン寺院のさらに東1.2kmのところにあります。仏教如来像などの三尊像がおさめられています。


 


 これら二つの寺院がボロブドゥールの真東に位置することから、当時はボロブドゥールを中心に仏教都市が展開していて、これらの小寺院はその東翼にあったのではないかという説もあります。


 


 


  その役割など、ほとんどの部分が未だベールに包まれたままのボロブドゥール寺院遺跡群。そこには歴史の神秘とロマンが残されています。200年前にイギリス人のトーマス・ラッフルズが発見した時の感激と興奮を想像しながら、ボロブドゥールの美しさを堪能してみてはいかがでしょうか。

2015年1月20日

written

by tabisapo


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