現在17271個の困ったを解決できます!

2015月2月25日更新

金融業界への内定後、読んでおきたい10冊の本

7101 views

金融業界に内定しました。入社までにこれだけは読んでおけ!という本を教えてください。(大学4年生・男性)


金融業界への内定と一言で言っても、銀行や投資銀行、証券、保険、リース、貸金等、多くの企業形態があり、その内皆さんがどの企業に属するかで、紹介したい著書は変わってきます。

ただ金融系企業で多く共通しているのは、資金を拠出して、金利や配当で利益を得る、また投資することで株式・不動産等のキャピタルゲインを得たりして利益を出し、経営しているという点です。

そこで、この「広義の金融」として必要な知識を得ることができる10冊の著書をこれから紹介させて頂きます。

 

『経済のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ 増補改訂版』池上彰(著)



経済のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ

画像出典:Amazon

まずは本当に基礎の基礎から。

金融を学ぶ上で世界や日本の最新の経済事情について知らないのはまずいです。

意外と虫の目で金融ばかり詳しく、鳥の目を持っていない人が多いですね。

当然、一番の経済事情を知るためのツールは日経新聞ですが、読んで理解できるものばかりではないので、日経新聞の記事を読み砕く為、また内定者が最初に抑えておくべき経済のポイントを知る為、

あるいは今更人に聞けないことが出てきたときにこっそり開く参考書として本著を所持しているといいと思います。

東証や日経平均株価等、知らなければ金融業界人だけでなく社会人としてもまずいレベルの言葉から、池上彰さんが優しく丁寧に解説しています。

 

『金融は人類に何をもたらしたか:古代メソポタミア・エジプトから現代・未来まで』フランクリン・アレン(著)



何をもたらしたか

画像出典:Amazon

名著『コーポレート・ファイナンス』の著者、ペンシルベニア大教授のフランクリン・アレンが著者です。

本著の面白い点は、金融の歴史として古代メソポタミア・エジプトまで遡り、起源について触れている点です。

この時代には数学や医学、天文学、法律等、様々な学問の他、不動産取引やリース、担保、金利等の金融取引が生まれました。

神殿が農民に対して種籾を貸し付け、農民はその籾を3割増しで神殿に返納したり、銀の貸し付けではハムラビ法典で金利上限を2割と制定し、返済の際に銀がなければ小麦に換算して返納する等、現在の金融の礎が既に出来上がっていたのです。

そこから様々な金融イノベーションが起こり、やがてリーマンショックを経て現在に至るわけですが、金融産業の問題点、これから歩むべき道を丁寧に記してくれている一冊です。

 

『金融英語入門(第2版)』柴田真一(著)



金融英語入門

画像出典:Amazon

金融業界にお勤めの方で、ビジネス英語だけ分かればどうにかなると思っている方も多いですが、金融の世界には非常に多くの専門用語が出てきますので、英語ができる方でも分からないことが多々あります。

そこで金融英語に的を絞った本著のような実用的な本が必要となってくるわけです。

タイトルからして辞書のようなイメージを持つかもしれませんが、基本的には金融の知識を身に付けながら英語を学んでいくスタイルです。

株式や債券、為替、M&Aをはじめ、リーマンショック、ユーロ危機についてまで例文を載せてしっかりと解説をしていますし、問題を解くことでしっかり身に付きます。

また最も重宝できるのは、英文の決算書やアニュアルレポート、目論見書等の見方や使い方、eメールの書き方が資料として添付されている点です。

海外勤務や海外取引がなくても、金融英語と触れる機会は必ず訪れますので、金融業界に内定された皆さんにとって必読書になると思います。

 

『世界一やさしい金融工学の本です』田渕直也(著)



金融工学

画像出典:Amazon

金融工学という分野についてです。

金融の中でも工学(物理や数学、統計学等)を用いて理論的に導き出した資産運用や投資、リスクマネジメント等に関する新しい研究分野のことを指します。

非常に難しい分野に聞こえますが、銀行の融資にしても投資信託のような金融商品にも活用されている考え方ですので、これを理解できなければ商品を開発することも、勧めることも本来できないのです。

金融工学の数多くの著書の中でも、本著はマンガ形式で解説していくので大変わかりやすい構成になっていますので、公認会計士や税理士試験を受ける方にも重宝されている著書です。

 

『私の仕事術』松本大(著)



私の仕事術

画像出典:Amazon

著者はソロモン・ブラザーズを経てゴールドマン・サックスに勤務し、その後マネックス証券を設立した実業家です。

現在はマネックスグループとマネックス証券の代表取締役社長CEOを兼任。

また東京証券取引所グループと子会社の東京証券取引所の代表取締役社長、新生銀行やオリックス証券の取締役も兼任しています。

本著は2003年に出版された『10億円を捨てた男の仕事術』に加筆して改題したものですが、金融ビジネスにおいて大切な心構えを教えてくれる一冊です。

ビジネスでは常にクレディビリティ(信用)重視で、「できないことをできる」と言うことだけは絶対にしてはならない、会議の際は会議時間や結論を出す人間を必ず決め、参加者の発言には責任をもたせない、仕事において常に無駄を見つけては省く作業を行う、経営者はディスクロージャーを積極的に行うことで実を伴った改革を実施することができる等、ビジネスにおける基本とも言えますが、改めて思い起こさせてくれる本になっています。

 

『「お金の流れ」はこう変わった!松本大のお金の新法則』松本大(著)



松本大のお金の新法則

画像出典:Amazon

先ほどと同じ著者で、本著は松本さんがマネックスのブログで述べたものから抜粋して本にしたものです。

例えばものの値段がどうやって決まるかという、聞かれたら答えにくい問いに対して、分かりやすくコップと水で説明してくれます。

水が1リットル、コップが10個並んでいて、コップに順に水を注いでいくとします、するとコップに注がれた水の量は平均で100ミリリットルになります。

100ミリリットルを100円とすると、100ミリリットルずつ入れれば全て100円になりますが、入れる水の量を変えれば値段は変わります。

このコップに入った水の量をお金の量、値段を市場で表せば、つまり値段は本質的な価値とは関係なく、どのくらいのお金が流れ込んだかで値段が決まっているということが分かるのです。

この他にも例を用いた分かりやすい解説があり、興味をもって金融を学べる一冊です。

 

『サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉』春山昇華(著)



サブプライム問題

画像出典:Amazon

2006年から2009年までアメリカで起きたサブプライム住宅ローン危機。

そもそもサブプライムローンとはプライム層(優良層)より下の層の顧客(所得に対する借入が半分以上を占めていたり、過去1年に1か月以上の延滞が2回以上あったり、過去5年以内に破産した者等、通常住宅ローンの審査に通らない信用度の低い者)に対して高い利率で貸し付けられるローンのことを指します(住宅ローンは住宅を担保にしてお金を借りることです)。

最初のうちは低金利で貸し付けられる為、低金利の間に住宅価格が上昇し、その時期に転売することで大きな利益を得ることができるのですが、変動金利型なので多くの顧客は次第に払えなくなえり、住宅を差し押さえられる等、問題が深刻化していました。

2006年末になると、住宅バブルが弾けて住宅価格が下落し、ローン支払を3か月以上延滞している顧客の割合が全体の13%を超えたのです。

これにより、貸主は住宅を差し押さえてもローン分を取り返せない事態に陥り、不良債権と化したのです。

よってサブプライムローンを集めて証券化した金融商品(サブプライム・モーゲージ)が買われなくなって大幅に価格が下落し、これを購入していた金融機関や投資ファンドが多額の損失を被ることになりました。

その一つリーマン・ブラザーズは64兆円という負債を抱えて倒産し、世界的金融危機の引き金になったのです。

日本でもこの煽りを受けて、高リスク投資を行っていた大和生命保険が634億円の負債を抱えて倒産に追い込まれました(後に米国プルデンシャル・グループのジブラルタ生命によって完全子会社化され更生計画が認可された)。

この一連の問題では、金融商品のリスクが問題視されたというよりも、金融業界のモラル・ハザードが問題視されたわけで、多くの信用を失う結果となりました。

本著では、著者の分かりやすい説明とともにサブプライム問題について深く解説されています。

金融業界に入る皆さんは絶対知らなければならない事件で、またこの事件を教訓として、商品を売る側として身に付けなければならないモラルを養っていただきたいと思います。

 

『史上最大のボロ儲け』グレゴリー・ザッカーマン(著)



ボロ設け

画像出典:Amazon

不良住宅ローンによって金融市場が混乱し世界的経済危機を齎したサブプライム問題。

この破綻を予測し1年で150億ドルを手にした無名の投資家ジョン・ポールソンという人物の話です。

財務状態が悪いのを隠して低金利で融資を行っていたウォール街が破綻間近であると感じ、一気に投資して成功したわけですが、その裏側には色んな舞台がありました。

ポールソン以外にも後を追ってこの取引に参加して成功した人物がいますが、こうした人物達の取材がこの著書を構成しています。

今後いつこうした問題が起きるかわからないので、教訓として皆さんに知っておいていただきたいと思い、紹介させて頂きます。

 

『フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち』マイケル・ルイス(著)



フラッシュボーイズ

画像出典:Amazon

「投資家は八百長ゲームが行われているカジノへ案内される間抜けな観光客のようなものだ」

こう揶揄するのは著者のマイケル・ルイスです。

その理由は10億分の1秒で先回りしているフラッシュ・ボーイズと言われる超高速取引業者(ヴァーチュ・ファイナンシャル)が存在するからというのです。

なんと「創業5年半で負けは1日だけ、それも発注ミスが原因」と言うくらい勝ちゲームを続けているのです。

本著はウォール街の投資銀行に勤めるブラッド・カツヤマ氏が株を買いに移った瞬間、売り注文が消えるといった現象が起き、これに疑問を感じて調査に乗り出す話の構成となっています。

今はHTF(高速高頻度取引)を利用する企業と一般投資家には大きな差があると言われていて、証券取引所内に証券会社の売り買い注文ができるサーバーを置いていたりと(コロケーション)、気配情報の取得と相場報道のシステムは恐るべき速さで往復しているのです。

投資家の注文情報を一度捕捉して、その間に売買を行い、利鞘を稼いでいるのではないか、EUで監視を強めているフロント・ランニングと呼ばれる不正行為について問題視した著書です。

 

『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』マイケル・ルイス(著)



世紀の空売り

画像出典:Amazon

先ほどと同じ著者で、ストーリーは無名の投資家たちがサブプライム住宅ローン危機の際に、住宅バブルが弾けて暴落することを予想し莫大な利益を得たという話になっています。

サブプライムローンを組み入れたサブプライム・モーゲージを売る投資銀行は、格付け会社に依頼してトリプルAをつけてもらい、それを保険会社や機関投資家がしっかり分析せず購入していきました。

しかし、この金融商品がサブプライムを含んだひどい債券であることを医師で投資家のマイケル・バーリが気付き、バーリはCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)というデリバティブ商品を購入することで利益を出す方法を考えたのです。

CDSは空売り、即ち自分の持っていない株を証券会社から借りて売り、株価が下がった時点で買い戻す投資と似たような仕組みで、社債のCDSを購入して年間に一定の保険料を納めておくと、社債の損失分を保険金として受け取ることができるというものです。

サブプライム・モーゲージはトリプルAの格付けがなされていたので、この保険料が社債の1%で済んだので買いやすかったわけです。

これをバブルがはじけるタイミングで空売りすることで莫大な利益を得たのです。

ちなみに著者のマイケル・ルイスは、ソロモン・ブラザーズに入社後、ウォール街の人間の醜態を描いた暴露本を出してきたのですが、『ライアーズ・ポーカー』というベストセラー本の影響でソロモン・ブラザーズ会長のジョン・グッドフレンドが辞任に追いやられた話は有名です。

 

金融業界の面白さを語った本だったり、知識を得る為の本だけではなく、

金融業界で起きた事件とそのウラが書かれた書籍、業界外から見た金融業界の批判本等、

様々な視点で金融業界を知ることで働き方に深みが出ると思います。

 

2015年2月25日

written

by j-takahashi


同じカテゴリの記事をもっとみる

ライター

WRITERライター情報

RANKING

就活・キャリア記事ランキング

pagetop